月別: 2020年1月

 

Whole Tone Scale

オリビエ・メシアン著「わが音楽語法」。60年以上前の書籍ですが、最近その新訳版「音楽言語の技法」が発売されたことをきっかけにいろいろと勉強しています。「移高が限られた旋法」について書かれていることは知っていたのですが、リズムに関する記述が多いことが意外でした。
この「移高が限られた旋法」の第1旋法が移調が2回しかできない全音音階(Whole Tone Scale)です。

「もはや何も付け加える余地はない。私たちは注意深くこれらの使用を避けよう」と書籍ではスケールの楽譜さら示さずスルーしてしまっています。ドビュッシーなどに使われすぎて面白みがないということなのでしょうか。
ゲーム音楽の作曲をするときなど、ちょっと不思議な浮遊感みたいなものを表現するスケールとして使ったことがありますが、「鉄腕アトム」の効果音などでも使われています。
ドミナントモーションができない、マイナーコードがないなど調性があやふやになることから、音程感のある打楽器を叩いている感覚にもなります。(マーチングバンドで使うSixtetのような..http://beflat.iiv.jp/xml221) そういう意味ではリズムが際立つスケールと思えます。

音楽的要素としての面白さに加えて、個人的には数学的、物理的な面白さがあると思っています。
CリディアンスケールとF#リディアンスケールの両方が共存しているようにも聴こえることから、裏と表がつながっているメビウスの帯(表と裏で一回転)のようなイメージを感じます。
# 実数平面上の1回転が複素平面の写像で2回転になる現象もこれに通じるかも..http://decode.red/blog/201911031048/)
ちっと飛躍しすぎですが量子力学の2つの状態が重なっている現象もこれに似ているような・・
ということで、タイトルも「コヒーレンス]という曲を作ってみました。
もっと面白いリズムを使いたかったのですが、テクがないので、表現が難しかったです。(「とりあえずOUTPUT」をポリシー)
# シーケンサを使えばいいのですが、やはり生でやってみたいので。



2022/1/29追記) OpenSeaに登録
https://beflat.iiv.jp/xml543