Negative Harmony
Jacob CollierがYouTubeで広めて有名になった音楽理論(オリジナルは古い)で、私も調べてみました。
5度圏を左右に割ってそれぞれの音を交換可とするものです。
ネガティブということはポジティブに対するものであり、この交換により明るいメジャースケールはマイナースケールに変換されます。
ちょうど陰と陽、夜と昼、月と太陽のような関係に似ているでしょう。この話題にタイミングよく今週11月8日は、442年ぶりとなる皆既月食+天王星食が見られました。
このような天体ショーは、天がときどき人類が宇宙の一部であることを教えるがごとく巡ってきます。きなくさい世界情勢の中、ちっぽけな自分たちの存在を謙虚にうけとめたいものです。
私も観測にいき天体望遠鏡のファインダーからですがiPhoneのレンズをくっつけて、思ったよりきれいに写真をとることができました。今回天気も良く長時間にわたって観測できたため、長く楽しむことができたのではないでしょうか。
他の惑星も見ることができ、土星の環、木星は衛星までも観測できました。
話が脱線しましたが、ネガティブハーモニーの仕組みを図示しました。
このように書くと、一見同主音単調の借用和音のようにも見えますが(モードチェンジしただけ?)、C-G, D-Fの変換が面白いと思いました。
また下記動画でJacob本人のインタビューをもとにしたわかりやすい解説があります。
ここに出てきたスーパーリディアンなるものの説明にも興味を持ちました。
リディアンスケールを左図のようなルールでつなげていくもの(5度圏の#側(陽))と、ミクソリディアンスケールを右図のようなルールでつなげていくもの(5度圏のb側(陰))で、オクターブをまたいで変化していく様子が興味深いです。
ネガティブハーモニーのケーデンスは、V-I から IV-I 変化しますが、このとき
Fm7 -> Bb7 -> Cmaj7
というバックドアケーデンスというものが現れます。動画でもこの用語が使われていますが、初めて知りました。
フロントドアもあるのか、ということで調べてみると、
Bm7-5 -> E7 -> Cmaj7
とありましたが、ネーミングは定かではなさそうです。
このような周期的な音列を演奏するとき、どんどん転調するためピアノのような鍵盤楽器ではなかなか困難なので、これもタイミングよく最近マイブームである転調しても同じ運指が使えるクロマティックキーボードを使える環境を整えてみました。
下記プログラムを改造して、PCキーボードのクロマティックキーに見立てたコードをMIDI出力できるようにしました。
https://decode.red/net/archives/1040
もともとボタン式クロマティックアコーディオンに興味があり、いろいろと調べていたのですが、高価であるためなかなか手がでずにいました。しかしキーボードだけは体験してみたいと思いPCキーボードを使ってクロマティック演奏を試みました。配列はB-SystemとC-Systemがあるようですが(上下が逆)、C-Systemの方がよく使われているときいたことと、RolandのV-Accordionが採用しているということで、こちらにしました。
実物とは程遠いですが、思った通りこの配列を使うとこれまでと違った感覚を味わえます。(和音の形が視覚的にわかる)
せっかくなので現在勉強中のまとめとして、3タイプの指の形を図示します。音階をひくときにテトラコードを意識すると、横スライドするとき、縦移動で上下にキーが切れたときにフレーズをつなげやすいのかと思っています。
ネガティブハーモニーの話題に戻って考えると、横方向の移動は短3度なので、C->Eb つまり C->Cm となり転調がしやすく親和性が高いです。(Cの1つ左からスタートするAマイナーのスケールをそのままの形で右に1つシフトします。”Chromatic Keyboard”動画の最初の部分)
また交換する音は点対象(天体ショー?)として表せます。
音楽はいろいろな見方ができるから面白いですね、
ネガティブハーモニーを知ったときに思ったのは、光の色を周波数で見る見方と三原色で見る見方の違いに似ているような気がしました。
また整数比から音階を発明したピタゴラスが、宇宙と音楽はともに調和(ハーモニー)がとれて奏でているとし「天球の音楽」といったことを思い返しました。
恵まれた天気で皆既月食を観測できたのも、世界に調和を、という天の声かもしれません。
いろいろな話が盛り沢山になってしまいましたが、このブログらしい展開に自己満足しています。(^^)
※ドレミ表記のもともとのアイディアは以下
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