投稿者: Kei

 

VCV Rack Jam

別件でソフトウェアモジュラーシンセを使ったとき、フリーでは基本モジュールしか使えないと思っていたのですが、ユーザ登録するだけでかなりのモジュールを使えることがわかりました。

https://vcvrack.com/

Modular Synthesizer (2)

ということで早速いろんなモジュールを試してみましたが、数が多すぎてそれぞれ何ができるのか把握するのにかなり大変だということがわかりました。(嬉しい悲鳴)

大きな分類としてHardware Cloneと呼ばれるハードウェアとして存在するもののソフトウェアシンセとソフトウェアならではの自由な発想のものと別れます。
まずはHardware Cloneを中心にいろいろと調べてみました。実際の製品を試すことなくどんな音がでるのか十分に知ることができ、高価なものゆえ気にいったものをじっくり検討して購入する動機に十分になると思いました。ソフトだけで十分楽しめますがマウス操作では一つのつまみしか操作できないのと、実物の音圧にはかなわないでしょう。
次のステップは、何のモジュールか理解した後これで音作りすることですが、これはかなり難しいです。文字通り思考錯誤しながら私も作ってみました。

テーマとしては、ステップシーケンサの単調さをできるだけ回避できるように、多様な変化を起こすことです。
ピッチの周期とエフェクトの周期をづらすとか、フレーズがワンパターンかされてきたら、クロックでトリガーされる数を少なくして雰囲気を変えたりするなど、試しました。
左上のINSTRUOのモジュールは、前に購入したKastle Drumとルックスもだけでなく音も似たところがあります。アルゴリズムとかオープンソースになっていてそういったものを利用することもよくあるようなので、今はやりの音なのかもしれません。
憧れだったモジューラシンセで、このようなことが簡単にできてしまう今の時代にあらためて驚きます。
音作りの面では既になんでもできる時代は来ているのですが、モジュラーシンセという自由度を組み合わせるというのは究極的なものだと思います。

この次にはいったい何がくるのでしょうか・・

Volca FM + Volca Sample2

FM音源といえばYAMAHAのデジタルシンセサイザのDXシリーズですが、DX7ともSysexでデータ互換があるVolcaFMは手軽に高品質なFMサウンドを体験できる製品です。

DX7は音色のエディットをボタンとボリュームスライダで行う、操作もデジタルでしたが、VolcaFMではアナログライクのつまみで操作できる(MIDIコントロールの可)ことが気に入りました。
それからVolcaシリーズならではの個性的なステップシーケンサとアルペジオレータが魅力です。
今回テストしたかったのは、このシーケンサとアルペジオレータをピッチ制御しながらシームレスに使えるように外部MIDIコントロールすることです。MIDIプログラミングにはMAXを使いました。

主に、AKAIのMIDIコントローラMPKのMIDI信号をVolcaのコントロールチェンジに変換する役割をしています。ビッチ制御ではノートオンのホールドができるようにしています。
あとシーケンサのStart/Stopなどもコントロールして、アクティブステップシーケンスの操作以外、MPKでできるように試みました。

せっかくなのでVolca Sample2も使って同期しました。

またDEXEDというソフトシンセのデータを転送することもできることから、音色データの作成がしやすくなっています。FM音源はたくさんのパラメータがあり、これを有効に制御することはとても難しいのですが、これを手軽にできるしくみをこのVolca FMは持っています。

あと3台欲し〜です。

BASTL Kastle Drum

チェコのBastl Instrumentsという会社のDIY電子楽器、Kastle Drumを手にいれました。
輸入品ということもあり、ちょっと割高感がありましたが、このサイズでモジュラーシンセということにとても惹かれました。一つ前のKastle v1.5 という製品も欲しかったのですが、もう一つ決め手がなく、しかし今回これを”Drum”と言うことの非凡性と、Volca Modularを補完する(一緒に使いたい)部分を持っていることで試したくなりました。

なぜDrumというか、それはグリッチ(Glitch)サウンドをリズムパターンで演奏するからです。汚れ音系は以前から興味があり(ちょっと前に流行ったサーキットベンディングなど・・)、一つ間違うとバグなのですが、その微妙なさじ加減を調節するのにはセンスがいります。Volca Modularで物足りないと思ったのがノイズだったので、この二つはとても相性がいいと思いました。 トリガーにつかうパルス(ステップシーケンサ)のパターンはあらかじめ決まっていますが、電圧によって音色のゾーンを変えられるので、パターンが変化しているように聞こえます。NOSE,CLOCK,LFO,Patternの出力がそれぞれ3つあるのですが、バリエーションを出力すると思いきや、残念ながら同じ信号を出力しているようです。
Kastle Drumは狙いの音にするのがとても難しく、頭を整理するためにも独立した外部から変調ソースを使っていろいろとテストしました。

LFOが一種類でしかもクロックと同期しているので、モジュレーション対象がパターンの周期と一致するようになっています。これはどんな状態になってもリズムパターンと認識させるための狙いだと思いますが、ずらしたいときもあります。こういうときは外部のLFOを使って実現します。(このデモの詳細は下記ブログに記述)

アート集団がたちあげた会社だけにノイズにもセンスがあります。
もちろんモノフォニックシンセなので、同時発音数が1ですが、ノイズのリニアドラミングのようにも聴こえます。これもDrumという所以なのか。
この2機種によって、モジュラーシンセの音作りの自由と面白さを新たにしました。KORGさんにはVolca Modularの後継機を期待しつつ、今回モジュラーシンセのバッチケーブルのかわりに、M5Stack(Arduino)のGPIOをジャンバーで接続するという発想に出会うことになって、自分でも作れそうな気がしてきました。

Low Pass Filter

Modular Synthesizer

Kastle Drum

Volca Jam – Modular & Sample2

Volcaシリーズの Volca Sample2 と同期プレイしてみました。
BassとかDrumでなく、サンプリングマシンを購入した理由は、オールマイティに音を選べるからと、この新バージョンからステップジャンプと呼ばれるステップを自由にジャンプする機能が魅力的だったからです。(サンプラーだからAKAIカラー(Sシリーズ)。他にもFMはYAMAHA DXシリーズのカラー、DrumはビンテージのRolandカラー?。リスペクトですね)
DJの世界でもターンテーブルとクロスフェーダを楽器のように扱うプレイがあるように、シーケンサを楽器のようにプレイするのもありかなと。。(最近のDJミキサーはもっと進んでいますが)
Volcaはシリーズ各機種とも個性的なシーケンサを持っていて、それぞれのシーケンサを同期してプレイするというのは新しいスタイルに感じます。(Volca FMはシーケンサとアルペジオレータを組み合わせるなどかなりユニーク)
Volcaシリーズを調べていて思うことは、非公式のファームウェアがあったり、MIDI-OUT追加やDrumのスネアドラムの音を改変するなどの改造がネットで公開されており、コミュニティに愛されているなぁと感じます。
Volcaではないですが、NTS-1ではオシレータをカスタマイズすることができ、ソースコードまで公開させています。オシレータをプログラミングできるということは、WaveTableを操作してどんな音でも鳴らすことができるということですね。KORGのこれらデバイスは、未来の楽器の形を先行して示しているようにも思えます。
と、最新情報のように語っていますが、これらネットではかなり情報があり、私はレイトアダプタ(レイトマジョリティ)です(^^;)
ただこの先を見据えると、ここは通過しなれけばならないポイントと考えています。
私も同様の動画を見て、やったみたいと思ったVolaJamをやってみました。

Volca Modular + M5 Stack

前回に続いて、Volca Modularで遊びました。
モジュラーシンセは、つまみを手で回して音の変化を楽しむわけですが、両手で操作するということは最大二つのつまみしか回せないことになります。そこでつまみの代わりに外部LFOを利用してパラメータを操作してみました。

Volca Modularは、0から3.3Vの電圧をかけることで、パラメータを変化させられるので、それをM5Stackを使って作り出しました。
M5Stackは、ESP32系のArduinoで、通常のArduinoはDAC(デジタルアナログコンバータ)は持たないのですが、これは2つ(8bit)持っているから便利です。さらにもう一つGROOVE端子接続のDAC(12it)を接続し合計3つのDACをLFOとしてウネウネしてみました。
さらにM5Stackばディスプレイも持っているので、各パラメータの波形を表示させました。音の変化と波形の変化が一致しているのがわかります。

前半1分は何も操作はせず、後半は加算器でピッチを壊してみました。

モジュラーシンセなのであたりまえかもしれませんが、ピッチ、テンポ、トリガー、ゲートすべて電圧で制御できるので、かなりいじれます。(まだまだ序の口です)
自作シンセとか作って、つなげてみたいです。

Volca Modular

KORGのVolcaシリーズの中でも、独特の特徴をもつVolca Modular。久しぶりにシンセ?というものを購入しました。(KAOSSILATOR以来か)

MIDIインターフェイスもなく、電子工作で使うジャンプワイアでモジュールをつないで音づくりをします。
最近モジュラーシンセがはやっていて、ネットでもよく見かけるのですが、接続にはパッチケーブルが使われており、これらとはまた違ったフィーリングです。
KORGなのにArduinoのような電子工作の製品の部類なのか、それともKORGだから電子楽器なのか、この狭間にあり従来にない位置づけの製品です。個人的にはジャンパー(3.3V)でつながるので、ArduinoとかRaspberryPiと接続できることから、新しいアイディアがわいてきそうです。
モジュラーシンセとしては、本格的なものは憧れますが、まだその領域に達していないので、信号の流れを学ぶ教材として使っています。最近安価になってきて盛り上がっているのは、とてもうれしい傾向です。

ネットでみるとアンビエントものが多くあり、モジュラーシンセとの相性の良さを感じます。(いろんなアプローチがあり、センスが問われます。)
つまみをいじりながらプレイは通常のスタイルなのですが、私はあえてつまみを触らず(放置プレイ)で初期状態でどれだけ多彩な音の変化を生み出せるか、ということにも興味あります。
せっかくなので、一応動画をとってみました。コンセプトととしては、初期状態のまま再生することと、ネットではさわやかなアンビエントものが多いので、その逆の耳障りな(癒される)ファクトリーノイズを表現してみました。

シーケンスを使えば何でも表現できてしまうという考え方もありますが、16程度のステップシーケンサやアルペジオレータの類というのは、シンプルな変調ソースという位置づけでいます。
理想としては、これらを使わず、LFOやクロックディバイダといったもので表現したいです。このためユーロラックのモジュラーシンセが欲しくなりますが、ArduionoでLFOやノイズジェネレータを作ってVolca Modularに入力することもできるので、このあたり面白いと思っています。

Back to the Fusion

昨年にひきつづきリズム&ドラムマガジンのコンテストにチャレンジしました。
テーマは、バック・トゥ・ザ・フュージョン! リニューアル一発目のコンテストで”原点”に立ち返る、とのことです。原点がフュージョンなのは私も同じで、これまでで一番ドラムを夢中で練習したのがフュージョン全盛期でした。テーマ曲はDEZOLVEメンバーによる書き下ろしで”Symbiosis”、さすがキメキメの曲でかなりの熱量があります。それに応えるべくプレイプランを練りました。

意識したつもりはないのですが、これと思うフレーズを考えた結果をみて、やはり神保彰(カシオペア)、デイブ・ウィックル両氏の影響をかなり受けていることを改めて自覚しました。当時両氏のビデオ・DVDはもちろんのことドラムクリニックにも参加してよく研究しました。特に、デイブがヤマハのドラマーズキャンプ(合歓の郷)に来た時は、大興奮でした。今思い出してもすごい体験でした。(話は長くなるので割愛 ^^;)そんな若いころの思い出が蘇るのがフュージョンです。

記事に”インストゥルメンタルの課題曲で、プレイヤビリティを競っていただきます”という文言があります。楽器と演奏の可能性を追求するジャンルでもあるフュージョンですが、音楽がまた一巡してそのようなFutureがくるといいですね。

音楽を作ったり、演奏するのには動機が不可欠と常々思っています。最近はなかなかこのような曲を叩く機会がありませんでしたが、いい機会に恵まれたので、今できる精一杯の力をぶつけてみました。

あれっ! 動画テキストの MAGAZINE が MAGANIZE になっている・・

メモ) 生ドラムの音は大きいので、iPhoneのイヤフォンでは曲がモニタしづらいかも。(昨年はブラシだったので気づかず・・)

[追記 2021/10/10]
iPhone13のシネマティックモードのテストもかねて、エレドラバージョン(Roland TD-17)を撮影してみました。撮影、編集(iMovie)、アップロードすべてiPhone13のみでやっています。
コンテスト用のクリックトラックのない音源をTD-17のSDカードから再生して、一発録音。
(AUDIO I/F使用)

Kollaboration w/ TAP

〜とのコラボ(collaboration)というのは、音楽や芸術などで、また最近ではビジネスでもよく聞かれます。新しい人との繋がりができたり、新しい創作のきっかけになったり、自分の世界を拡げることができます。
ある楽器ができるようになると同じ楽器ができる人と知り合いになりとても仲間意識がわきます。これはこれで楽しいのですが、自分を客観的に見るためには、他の楽器とのアンサンブルが有意義です。音楽にはこのコラボのしくみがあらゆるところにある気がします。

どんな楽器でもコラボはできるのですが、自分の中でコラボ度(コラボのしやすさ:音楽的に以外に物理的、環境的にも)というものが高いものとして、タップがあります。

ktap.art/blog ktap.iiv.jp/blog

Artless Rhythm Tap

YouTubeでもさまざまな組み合わせを見ることができますが、Sarah Reichという女性タップパフォーマがBigBand, Saxソロ、Cellソロと精力的にコラボする動画は、圧巻です。

自分がやってみたい組みあわせに、エレクトリック・ロックバンド、プロディジーのようなビッグビートがあります。なかなか難しかったのですが、雰囲気だけでも真似ようとチャレンジしてみました。曲はRoland MC-505のプリセットパターン80をリアルタイムエディットしました。

タップだけではちょっと物足りなかったので、前々回”Beat-C”で使ったDJ Mixer(Pioneer DDJ-S1)で録音済みMC-505の音をベースにスクラッチプレイとリミックスしてみました。(今回はじめて!とりあえずやってみたいことを形に・・)

スクラッチプレイは、今までPCのDJシステムではレイテンシーがあるので難しいのではという先入観がありまたが、YouTubeをみているとそのようなことはなさそうなのでトライしてみました。クロスフェーダは混ぜ具合を調節する楽器ですね。

クロスフェーダのボリュームカーブの立ち上がりがちょっと緩やかに感じたのですが、古い機種のせいなのかよくわかりませんでした。
もう少し急峻に立ち上がってくれると、指変えの連打とかできるのかもと思いましたが、少なくとも私のテクがそこまでないので、もっとできるようになってから考えることにしました。
Collaborationの頭文字をKにしたのは、強調の意味と混ぜる(MIX)意味のアイコンのように扱いたかったからです。
そういう意味でカクテル(Cocktail)もKになります。

音楽もお酒も、たくさんの楽しみ方を持っていますね。
いろんなジャンルのプレイヤーがパフォーマンスする一体感のある空間を創ってみたいです。

Sound Canvas

RolandのDTM(デスクトップミュージック)音源SoundCanvasシリーズ。私自身ゲームの音楽を製作するようになってから、使い始めましたが、前回の投稿のようにQXシリーズのようなシーケンサを使っていた私にとって、彼らの製作の仕方に当時強いショックを受けました。


SC-88pro(上)とSC-88(下)

カモンミュージックのレコンポーサというシーケンサを使い、ミュージックキーボードを使わず、パソコンのキーボードだけで、テキストエディタを使うが如く音符入力そしてコピペ、MIDIコントロールチェンジのみならず、GS音源固有のパラメータ(レゾナンス、フィルタ等)を操作し、プリセット音源をシーケンサ上でエディット。(それまでの私の常識的には音源のエディットは、音源のパラメータでやるものでした。) これにはメリットがあってリアルタイムで変化させることができることと、シーケンスデータに音色データも含められる(システムエクスクルシーブデータとはまた違う考え方)のでデータ互換が取りやすくなるということです。
またこのレコンポーサというシーケンサがこういったことがやりやすいつくりになっていました。(ブリブロの段階なので特にこの環境でなくてもいいのですが、私がいた環境はこれでした。ここからゲーム機に落とし込むときに時間をかけてデータを最適化していきます。ですのでMIDIのリアルタイムレコーディングのような容量が大きくなるようなスタイルは避ける傾向はあります。)
また特に楽器ができるという人たちでもなく、デザイナだとかゲームが好き、ということで曲を作っていて、耳コピ能力(音程だけでなく音色も)が異常に高かったです。コード進行とか知らなくても多数の音楽を聴いているので、その中のパターンを組み合わせてつくることでクォリティの高い音楽を作っていました。まるで絵を描くごとく、まさにサウンドキャンバスというに相応しい製作スタイルでした。

前回の投稿と同様、また過去のデータを整理する一環として、このDTM環境をセットアップしてみました。これまでの持っていたPC-9801やEPSON互換機はことごとく起動しなくなり、最後に残ったPC9821でしたが、液晶画面が変色してしまっていました。(奇しくもSCカラー。こんな壊れ方するんだ・・) ハードディスクはカタッ、コトッという鈍い音を時々発していて、いつ逝ってしまうかという状況でしたが、幸運にも外部モニタ、RS232CのMIDIの接続、レコンポーサ起動も無事できました。

データは20数年前のもので、とても懐かしいものばかりでした。データ救済の意味とレコンポーサの画面も記録しておきたかったので、まとめて動画にしました。
(あるイベントのBGM用に作った曲、SC88Proの新規音源を聴いて作りたくなった曲、たぶんボツになったゲームの曲、作った記憶がない曲などなど)

「自由は不自由や」by ジョージ富士川

NHK朝ドラ「スカーレット」のシーンでのフレーズですが、これは言い得ていると思います。

つまり「不自由は自由」。制限のある環境の中の方がそれを解決するためいろいろと想像力を働かせる必要があり、自由にものを考えられる環境にあります。当時のゲーム機で言えばメモリ、CPUなど低いスペックでも工夫によって高いクォリティのものを作れることを数々目のあたりにしてきました。
サウンド関係で言えば、歌を歌わすことはなかなか困難でしたが、比較的余裕のあるメインメモリからサウンドメモリにサンプリングした歌の部分だけストリーミングしながらBGMと同期させて歌わせたことがあります。

たった一曲のためにこんな面倒なことを、と思いますが、当時こういったことをみんなが面白がってやらせてくれました。
しかしSEGA StaturnやPlayStationの時代になって、音楽CDをBGMとして鳴らせるようになってからは、制約がなくなり、ゲーム音楽という独自のジャンみたいなものがだんだんと薄れていった気がします。(なんでも自由にできると言われると逆に考えに窮するみたいなことがあります。)
同時発音数、容量などの制限があったからこそゲームならではの音楽が創造された、とも言えると思います。(私が参入したのはスーバーファミコンの後期ですが、このエッセンスをかろうじて味わうことができた世代になります)

DTMも音源数に制限がある環境と言えます。(基本的にサンプリング機能なし) Sound Canvasシリーズでの曲作りは、独自の世界がつくられ、大いにもりあがりました。
今で言えば、ボーカロイドのコミニュニティはこれに近いのかもしれません。実は私もこれに挑戦しようとしたことがありましたが、購入直前になって、「あっ、そういえば詩、かけないや」と気づき断念しました。その後、山手線の駅名をひらすら言うだけの曲をボーカロイドで聴いたとき、「この自由は自分にはなかった・・」と自覚しました。

Sound Canvas というのは、多くの人がその上で共通言語(共通音色のバレット)をもってコミュニケーションをとってきたプラットホームです。熟練者には有限である環境の中で差別性を出すため、独特の作り込み感というか、音の密度みたいなものがあるように思います。過去の曲を聴いてみて、このプラットホームならではの曲作りに、結局追いつけていないと感じました。
自分にとってのプラットホームとは・・また、曲を作りたくなったきました。

SC-155

MIDI Communication

BEAT-C

新型コロナの影響で、バンドのライブも弦楽器教室の発表会も中止になり、楽器の練習をするというモチベーションが下がり気味の今日このごろです。
やはり人前で演奏する機会というのは貴重なことなんだと改めて感じました。

その反動か昔やっていた打ち込みの音楽をやってみたくなり、当時の機材のセットアップをしました。
いつか昔の音源を整理して再現しようと思っていましたが、これがなかなか大変な作業なので手が付けられずにいました。GS,GM,XGといった規格の音源なら比較的簡単なのですが、メーカが違う複数のハードウェア音源、サンプリング音源、シーケンスデータ、サンプリングデータ、MIDIチャンネルを曲ごとに思い出しながら組み合わせる必要があります。またデータがフロッピーディスクという媒体に保存されているため古いデータはエラーで読み出せないものもあります。
その中でもシーケンサがYAMAHA QX3、音源がRoland D-110、YAMAHA TG-33は比較的多数の曲を作った組み合わせで、再現がうまくいきました。


その中の曲でノリがいいものをただ鳴らすだけでは面白くないので、一度録音をしてからDJミキサー(PIONEER DDJ-S1)でリミックスしてみました。

DJミキサーは、当時とあるイベントで音楽をノンストップに鳴らす際に購入したものです。ただクロスフェードで曲を切り替えるだけでなく、あらかじめかける音楽の構成や聞かせどころを研究してテンポを合わせてあたかも同じ曲のように自分好みにつなげる面白さは、自分にとって新鮮なものでした。

(スクラッチのようなパーカッシブに音を鳴らすDJにも憧れましたが、やはりこれはアナログターンテーブルとお気に入りのアナログレコードが必要で、一朝一夕にはいかないとわかり諦めました。)

今回のこのセッティングは、私がゲーム音楽の仕事をする前までのスタイルで、この後、GS音源SoundCanvasシリーズで制作するスタイルに変わりました。シーケンサはコンピュータを使うようになりPC-98(MS-DOS)のレコンポーサ、そしてMac(GUI)のStudio VisionといったDAWに変遷していきます。
ここで思うのはQX3で作るような音楽をPCのシーケンサやDAWではたしてできたかどうか。
ツールとの関係性が制作結果にも大きく影響を与えることを経験しました。
QX3の特徴を一つ言うならば、曲が思いついてから形になるまでが速い、です。

タイトルはコロナを打ち負かす意味もこめて”BEAT-C”です。

Kei Twovela · BEAT – C